
オキナグサ
第9章 狂嫉
キョロキョロしてる
可愛い
「そう言って貰えるとママが喜ぶよ」
ここのママは凝り性で、色々お金かけたらしいからね
その分ノンケも多くて、安心安全お試しに最適のゲイバーになったんだけど
「さ、どうぞ」
「ありがとう」
扉を開けて中に朝陽さんを入れる
「いらっしゃ……あら? あらあらあらあらぁ?」
ちょっと上品なお姉さんって感じのママが俺に輝いた目を向ける
「ミホちゃん? ちょっとどういうことなのよ」
落ち着いた声音だけど、興味津々という顔で聞いてくる
「俺の彼氏。出来ちゃった」
照れ隠しに笑うと、ママは嬉しそうな顔をして
「どうして早く言ってくれないのよぉ。お祝いしないといけないわね」
と言ってくれた
「やだ、ケーキとか買ってきて貰おうかしら……」
とバタバタ奥に入っていく
「いい人だな」
朝陽さんも笑ってる
「でしょ。だからこのお店好き」
2人でカウンターに座って、アルバイトの子にお酒を作ってもらいながらお喋りした
最近の仕事の話を聞きつつ、自分の学校のことを話す
どこにいるかの場所は知ってても、何してるかまではわかんないからね
