
オキナグサ
第9章 狂嫉
そんな風に過ごして、ママが急遽買ってきてくれた小さなホールケーキをみんなで食べて
そろそろ帰ろっか
となったところで朝陽さんが
「すまないが、手洗いに行ってくる」
と言って店の奥に入って行った
「いい人そうね、ミホちゃん」
「でしょ?」
「ノンケみたいなのに、どうやって捕まえたのよ」
「それはほら、なんだろ……」
「ちょっとぉ、教えてよぉ」
「あんまり変なこと言ってるとママの彼氏さんがヤキモチ妬くよ」
「やだ、あの人面倒くさいものね」
そんな風にふざけ合いながら朝陽さんを待っていると、ドアベルの音が響いた
「いらっしゃいませぇ」
ママが扉の方に向かって声をかけるのを聞いて、なんとなく視線を動かすと
「!!!!」
そこにいたのは、ここ最近ストーキングしていた日高さんだった
やば
って、なんかこっちに向かってきてない?
なんだろ
今見てたからかな
何見てんだよ的な?
それともストーキングがバレてた?
どっちにしてもこっちに向かわれる理由で良いものが浮かばない……!!
反射的に身を縮こませる
日高さんはそんな俺の隣に座った
さっきまで朝陽さんが座ってたのと、反対側
