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オキナグサ

第9章 狂嫉


どれぐらい寝てたのかわからないけど、泥の中にいるみたいな
そんな、気持ちのいいとは言えない眠りだった

そこから顔を上げるような感覚で目を覚ますと


……?


辺りは真っ暗

身体の上に布
下は……少し柔らかい?
けど、柔らかいのの下に硬い床を感じる

これは、ベッドじゃなくて、床に何か敷いて寝かされてる?


で、なんでこんな暗いんだ

今何時?
スマホ……


「……っ」


身体を動かそうとした瞬間、全身鈍い筋肉痛に襲われて息を詰めた


こんなに全身痛いのなんて初めてだ
どうしよ


痛みに耐えきれず動くのを諦めて、うとうと浅い眠りに入っては目を覚ます

そんなことを繰り返して、漸く眠気が覚めてきた頃には多分数時間経っていたはず


それでも一向に室内が明るくならない
ってことは、まだ夜ってこと?
俺、そんなに寝てなかったのか

そういえば、朝陽さんは?

寝息が聞こえないけど
近くにいないのかな


どちらにしても、スマホがないと判断できない


俺は意を決して腕を動かして辺りを探った


手が床のフローリングに触る
やっぱり布団の上っていうのは正解だったみたい

鞄とか、どこに投げたか記憶ないな

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