オキナグサ
第9章 狂嫉
心の内から湧いて胸を満たすこの気持ちは
恐怖……?
背筋が痺れるみたいに電気が走って
息も荒くなって
変態みたいな俺が、暗闇で1つのことしか考えられない
「はっ……はー……は……っ」
恐怖じゃない
全然違う
これは
これは、享楽だ
朝陽さんに監禁されてる
きっとどれだけ探したってスマホなんて見つからないんだろう
この部屋には多分、俺が寝てる布団以外に何もない
俺だったら置かないもん
あ、でも
暗視カメラぐらいは設置しとくかな
真っ暗で何してるかわからないと、不安だからね
なんでこんな風にしてくれたんだろう
あれかな
日高さんに好意を寄せられてたのに嫉妬したのかな
それだったらいいな
俺が飽きずにストーキングした甲斐がある
日高さんは朝陽さんには無害っぽいし
良い当て馬だった
「……ふ、ふふっ……ふふふ……」
朝陽さん
朝陽さん
朝陽さん
今どこにいるんだろう
何時だろう
仕事かな、買い物かな
それとも実は隣の部屋にいたりするのかな
俺と同じ考えで、部屋に暗視カメラをつけてどこかで監視してたりして
それだったら最高
最高すぎ