オキナグサ
第10章 安定と安心
とか言いつつも、なんだかんだやっぱり幸せを感じてるのが元々ド変態の俺で
家にいると朝陽さんが俺のことしか考えなくて
俺は当然一日中朝陽さんのことしか考えられなくて
お互いがお互いのことを考え合うこの状況は、俺にとっては幸福でしかない
そんな日々を送っていた
ある日
仕事が休みで家でゆっくりしていた俺たちのところに、来客があったことをインターフォンが告げた
またなんかの通販かな?
変なものじゃないよねぇ?
なんて思いつつ玄関まで行けもしない俺が朝陽さんを見ると、朝陽さんも誰かが来るようなら心当たりはないみたいで
「誰だ?」
首を傾げながら立ち上がった
じゃあ通販じゃない?
ってことは、普通に来客?
俺は万が一のことも考えて自分の部屋(と化した元納戸)に入る
すると微かに聞こえて来たのは、朝陽さんと誰かが言い合うような声で
そっと開いた扉から、鮮明に聞こえるようになったことで瞬時に俺は飛び出した
ガシャン! と大きな音を立ててチェーンが突っ張る
足首に枷が食い込む感触がする
けど
構ってる暇はない
「何しに来たんだよ!! 帰れ!!!」