オキナグサ
第2章 お礼
日本人らしい黒の
純粋そうなまっすぐな髪
大きな目は吊ってもタレてもいなくて
身長も小さくて
守ってあげたい代表みたいな
対して俺は
そもそも色素が薄くて髪も薄茶
猫っ毛でパーマかけてるみたいになってて
今はいいけど、中学高校時代は先生に何度も地毛かどうか確認させられた
目はタレ目で怒っても迫力ないし
俺の見た目でどこがいいのかわかんない
「聖はいつも優しそうな雰囲気がいいよ。実際優しいし。そばにいて落ち着く」
「そう……」
やっぱり、俺にはわかんないな
それからちょっと皐月の可愛い愚痴を聞いてあげて、あんまり思い悩むなよって言いながら教室に戻ってその日最後の講義を受けた
「じゃ、皐月はこれからサークル?」
「うん。今度発表会があるから」
「そうなんだ。頑張ってね」
「ありがとう。聖は明日授業ないんだよね? また明後日ね」
「うん、ばいばい」
ほらやっぱり
後ろ姿も可愛い
男も女も
みんな皐月のこと見てるもん
皐月への視線に気づいてないのはあの筋肉バカぐらいだよ
さてと、俺は今日はどんな子に相手してもらおっかなぁ
皐月の腹いせに、筋肉系かな