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オキナグサ

第2章 お礼


「お堅いこと言ってないで観念しろよ! お前もそんな小綺麗な顔してスキモノなんだろ?」
「離っ……せ……!!! くそっ」


えーっと

スマホスマホ
あ、あった
こっちのポケットだったか

で、カメラ……っと


露骨な音を立てて写真を撮ると、2人が勢いよく俺の方へ視線を向けた


「!? おい、お前何してる!?」
「!!」


アサヒさんは俺に気がついたかな


「写真、撮ってるんだけど」
「は!? 消せ!! 勝手に人の写真を撮るなんて、何考えてるんだ!?」


俺だって別におっさんの写真なんか欲しくもないわ

けど


近寄ってきたおっさんの言葉を途中で遮るように顎を手でガッと掴む


「これだから最近の若もっ……が!?」


最近の若者、ねぇ
嫌な表現

これだから最近の年寄りは


「口の利き方に気をつけなよ。この写真1つで、俺はアンタの社会的地位を下げることぐらい簡単に出来るんだけど?」


それとも、会社辞めたいのかな


「そんなこと、出来るわけ……っ」
「ないかなぁ? 試してみよっか」


あぁ、俺
アンタのスーツについてるそのピンバッジ見たことあるよ

某大企業さんじゃないですか

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