
オキナグサ
第2章 お礼
「君から誘ったんじゃないか。ほら、他の人が怪しがってるじゃないか」
「普通のホテルか、その……外、とか」
「やめろって……!!! くそ、変なところ触んな!!!」
「それはまた特殊な」
会話に挟まるように喧嘩の声が響いて
集中できない
あーもう
仕方ないな
そもそもアサヒさんのせいで今日までお預けだったのに……
「ふぅ……」
「み、ミホさん?」
「ごめん。これは貴方は全く悪くないから、気にしないで欲しいんだけど。あそこで言い合ってるアレ、前に遊んだ人なの」
チラリ、とガチムチの視線がサラリーマン2人に向く
そして全てを察したような顔
「わかりました。ではまた今度」
「ほんとごめん。次は誰より優先して声かけるから」
「あのミホさんにそんなこと言って頂けるなんて、光栄です!」
あぁ、いい子だなぁ
スパッと割り切ってくれる感じ
すごく助かる
惚れそう
冗談だけど
今夜の相手を探すのに安全なゲイバーを教えて
お互いに手を振りながら和やかに別れた
そして振り返る
どうしてくれんの
ほんとに
アサヒさんもまぁそうなんだけど
お前だよ、そこのハゲ
前立腺でも開発してやろうか
