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オキナグサ

第2章 お礼


「朝ご飯、お米派だったら悪いけどサンドウィッチあるからどうぞ。スープも好きな方選んで」
「…………」
「?」


まだフリーズしてる
生きてるよね?


「……顔、洗いたい」


なんだ
ボーッとしてるだけか


「洗面所そこ。タオルは引き出しの中の好きに使って」
「……ありがとう……」


まだ放心状態

心配してあげるのも面倒くさいし
もういっか


とりあえずスープは2つしかなかったから、どちらにもお湯を入れてかき混ぜながらアサヒさんを待つ


顔を洗って戻ってきたアサヒさんは漸く正気に戻ったみたいだった


「……悪い。俺、君に助けてもらった挙句…………」


あ、記憶は残るタイプなんだ

さっきぼーっとしてたのは
何が起こってるのかわからなかったんじゃなくて、現実だと信じたくなかったからか


なるほど


「別に怒ってないし、気にしなくていいよ」


あぁいうモラルのないハゲはどこにでも湧くものだしね

俺もあったな
あーいうおっさんに絡まれたこと


普通にグーで殴ったけど


「いや、しかし……」
「とりあえず朝飯。俺お腹空いたから、早く食べよう。あ、あと今日会社は?」
「接待で飲むとわかっていたから、午後から……」

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