オキナグサ
第2章 お礼
午後出社?
それはよかった
「そう、よかった。どうぞ」
「あ……ありがとう」
「スープどっちがいい?」
「え、と……じゃあ、こっち……?」
やったね
俺コンポタ大好き
アサヒさんが選んだミネストローネも好きだけど
「いただきまーす」
「いただきます……」
遠慮がちに俺に続いて手を合わせたアサヒさんに好きなの食べて、とサンドウィッチを差し出す
あ、これ美味しい
新商品だって
今度また買ってこよう
「あの……」
「なに?」
「通りすがりで助けてくれて、慰めてもらって、泊まらせてもらって、更には朝食まで……本当に、ありがとう」
机に額が着きそうなほどアサヒさんが深く頭を下げる
大人だな
こうやってちゃんとお礼が言える人っていうのは
「どういたしまして」
「それで、今回のことで何かお礼をさせて頂きたいんだが……」
「お礼?」
え……いらない……
「大したことしてないし、むしろここまでのタクシー代払ってもらってるんだけど……」
「タクシー代ぐらい自分1人でも必要だったのだから、それはカウントしなくていい」
それなら昨日汗舐めながらオナニーしたけど
とは、流石の俺も言えない