オキナグサ
第4章 告白
自己嫌悪に陥って、視線がだんだん下がる
アサヒさんが履いてる品のいい革靴を眺めていると、1歩俺に近づいて来たのが見えた
「勘違いさせてしまってすまない。可哀想だと思ったわけじゃないんだ。ただ、苦しそうだったのを、助けたかっただけだ……俺が以前助けてもらったから、同じように返したかった」
なんだ、それ
「それに、可哀想だなんて思うはずないだろう? ミホさんが俺に言ったんじゃないか。人と違うことは悪いことじゃない、と」
つい顔を上げてしまって、少し後悔
なんで笑ってるんだよ
「人を閉じ込めて独り占めしたいって気持ちが、人と違うことなんて言葉で片付けられるわけない」
「そうか? 合意の上でなら別に犯罪でもない」
「……っ」
なんか、今はこの人に何言っても無駄な気がする
前回食事した時も思ったけど、結構強情だよね
もう、やめてよ
「…………お礼にって食事奢ってもらったのに、俺のこと助けたら意味ないじゃん」
せめて何か、食らわせてやりたい
そう思って放った言葉は、アサヒさんに笑われてしまった
「それは確かにそうだな」
「!」
なんでそんな、可愛く笑うんだよ
心臓が、痛い