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オキナグサ

第4章 告白


「もしかして、会話の内容聞いてた?」
「…………少し」


大抵こういう時は大事なことは全部聞かれてるんだよね

別に、隠したってしょうがないからいいんだけど


「……すまない」
「いいよ。こんなところで話してた俺の方が悪かったんだし」


実際、男同士のあんな変な現場で聞き耳立てて聞きたい気持ちは俺にもわかるし


「俺が声をかけてもいいか、わからなくて……」
「?」


何も考えずに話しかけて来たんじゃないってこと?


「でも、ミホさんが困ってるように見えたから」
「! 俺、そんな顔してた?」


いつから?

別に、困ってたりしたわけじゃないんだけどな


「……ん、苦しそう、だった」
「……」


言葉も出ない


なんて情けない
あの程度のこと、今までだってあったのにな


情けなくて
悔しくて
少し、恥ずかしい

あんな余裕綽々みたいな態度アサヒさんの前でしてたのに、あんな現場見られるなんて


「……で、アサヒさんはそんな俺が可哀想で声かけてくれたってこと?」


でも、こんな風に八つ当たりする方がよっぽど情けないな

でもなんでか、口が止まらない


くそ

こんなの、嫌なのに

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