オキナグサ
第5章 お付き合い
それからとりあえず今日はこれでって別れて、それぞれ家に帰った
帰るなり何故か電話が鳴る
あれ
朝陽さんからだ
「もしもし?」
『家に着いただろう』
なんだか勝ち誇った断定的な言い方
なにそれ可愛い
顔にやける
「ふふ……早速アプリ見てたんだね」
『あぁ。俺は今までこういうことはしたことなかったが、なんだか少しずつ動いてるのが面白かった』
なんだそれ
『ちゃんと寄り道しないで帰ってえらいぞ』
「いつから俺の保護者になったの」
なにが偉いぞ、だ
ていうか、それ本当は俺が言うセリフね
なんで強要されてる側の筈の朝陽さんが言うんだよ
「俺も見てたよ。朝陽さんは24時間営業のスーパー寄って帰ったでしょ」
『あぁ。明日の朝食用に何か買おうと思って』
なんでこんなお互いのこと見張りながらほのぼの会話してるんだろう
ちょっと
いやすごく面白い
朝陽さんがなんかズレてるからかな
「料理出来るの?」
『少しな。1人暮らしは短くないから』
「そっか。そういえば、漸く俺朝陽さんの家わかった」
『そうか、教えてなかったか。今度招待するから、遊びに来てくれ』