完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第4章 丸井さんの話し
取引先主催での会食の席で…挨拶に来たのが今の彼だった
先方の跡取りだと社長は教えてくれたが…
物腰の柔らかい…凝り固まった跡取り…と、言う感じはしなかった
でも、跡取りだと言うだけあって、キリッとした面も見受けられるが…また、社長の器ではないからと――――…私たち秘書にも気さくに話をしてくれる優しい人だった…
何度か会うたびに…私は、彼の人としての優しさや社員思いの一面に気がついて行くことになる…
そして、ある日――――…彼から「結婚前提にお付き合いをしたい」と、申し出があり…
私は、当たり前のように受け入れた