完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第9章 実周室長と財前さんの話し!
「お久しぶりですね…卓郎」
財前は会社の人間がいるときは俺のことを“実周さん”と、言っている――――…
今は――――…誰もいないから?
それとも…プライベートだから?
「久しぶりです――――って、…名前…で、呼ぶんですか?」
俺が名前で呼ばれた事を少し疑問に思っていると察したのか…
財前は「クスッ」と、笑った――――…
「ここは会社の敷地外ですよ?」
確かに…
だが、会社のビルからちょっと出ただけの…微妙なラインだ――――…
つーか…正確には目の前の歩道までが社の敷地なのだが…
「財前…今日は良いのか?社長を家まで送らなくて――――…」
「今日は、神谷さんにお願いしました…卓郎にお祝いしてもらわないと…」
「お祝い?――――…なんの…」
「臨時ですが卓郎の部下になったんですから…歓迎会です。」
――――…じ、自分から歓迎会を開けと?
相変わらず…態度も口もデカイ…