完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第9章 実周室長と財前さんの話し!
あの時
彼女と別れた報告をするだけの飲みで――――…
財前は何故…俺にキスをしたんだろう――――…
あの時のキスは――――…
俺の今までしてきたお子さまなキスとは違っていたし…
求められるような…
感情が流れ込んできそうな…
叫びたいような…
それでもって――――…永遠に続きそうな…
二人だけの時間だった――――…
でも、何故キスをされているのか分からないまま…
時間だけは過ぎて――――…
財前は「お人好し過ぎますよ…卓郎は…」と、その場を出ていった――――…
あれから、数十年…
もう――――…二度と会わないと思っていた財前が…目の前にいる…