完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第12章 【最終章】完璧な駄犬と憂鬱な秘書
社長室に入ると、曽根は電話をしていた――――…
「それでは話が違うじゃないですか!我々に全てを譲る事でそちらの言い値で契約する方向で話は進んでいまきたよね?今更――――?!契約書だって!……、それを言われると…」
眉間にシワが寄っている…
苛立っているし、内容的にいい感じではないことは確かだ…
曽根は荒く電話を切ると眉間を指で押さえた!
「――――やられた…契約をやけに濁すから…警戒していたんです…
案の定…他にもいい顔をしていたみたいです…!」
「社長…でも、契約する前でよかったでは?――――…契約していたら更に大事に…」
「いや、この権利ありきで新しいシステムやプロジェクトが動く予定だったし…開発チームも動いていて…
ここまでの間に…洒落にならないくらいのお金は動いているんです…」
特許を持っている先方が強く出ることは分かっていたが…
ここまでとは――――…曽根も考えが甘かったと大きくため息をついた