テキストサイズ

完璧な駄犬と憂鬱な秘書

第12章 【最終章】完璧な駄犬と憂鬱な秘書


重役どものしてやったりの顔が目に浮かぶ――――…


「狸どもが喜びそうなネタになりましたね」


曽根のデスクにあった資料を手に取り相手が絶賛していたシステムの概要を見た――――…


「“狸ども”って…重役の事ですか?――――…そうですね、今回は若手が中心となって動いたプロジェクトでしたから…

小言が痛そうです――――…」



珍しく曽根の表情は暗いまま…



「しかし、そもそも…アメリカでは、新しいシステムを作るのが専門だった社長が他社の新システムに頼るなんて…おかしな話ですね?」



「――――…社長になってから、システムを考える余裕がなくて…それに、あそこの会社のシステムは画期的で――――…ん?んん?…なるほど…そうか――――…」



私と会話をしていた曽根は、ハッと何かを思い付いたのか…


視界をなめ上を見つめながら…ブツブツ言い出した!



ストーリーメニュー

TOPTOPへ