完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第12章 【最終章】完璧な駄犬と憂鬱な秘書
スタッフが扉の前に立った――――…
「お父さん…今までありがとう――――…前の彼と別れた時は…もう結婚出来ないかも知れないって…親不孝な事考えてしまって…ごめんなさい
仕事も恋も――――…両方上手くやれる自信がもうなかったから…
でも、純弥さんのと出会って…お父さんとバージンロードを歩けるとこが出来る…
お父さん…私――――…幸せになるね…今まで本当にありがとう…」
スタッフがゆっくりと扉を開けた――――…
真っ直ぐなバージンロードが私たち親子の前に道を作っていた――――…
私と父はゆっくり歩き出す…
ざわつく来賓の様子から…
父が男泣きしているのが見なくても分かった
涙を堪えようと腕がプルプル震えているのが私の手に伝わる
男って――――…こう言うの弱いわよね…
だって――――…そんな父を見て曽根も泣きそうな顔をしているんだもん
そうだ…曽根が泣かずに今日一日耐えたら…
初夜は黒いドレスを着てあげようかな…
可愛い駄犬に――――…ご褒美あげないと
私はベールの中で一人口角を上げ曽根を真っ直ぐ見つめた――――…
【完】