完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第12章 【最終章】完璧な駄犬と憂鬱な秘書
そして――――…
私は今
大きな扉の前で、まっ白なウェディングドレスを身に纏い
ベールを被り…ブーケを手にし…
深呼吸をしている
ド緊張の父が上京したのは2日前
一緒にバージンロードを歩いてほしいと頼むと…
飲めない酒を一気飲みして噎せていた…
そんな父を「しっかりしなさい!」と、背中を擦る母
母も父も嬉しそうで――――…ホッとした
…ま、そんな家族を見て何故か曽根は、号泣していた
曽根のご家族も一緒だったが…
呆れていた――――…
そんなこんなで…
深呼吸をして横をチラッと見ると…父が緊張でガチガチになっている…
主役は花嫁である私なのに…何を緊張するのやら…
でも、父と並んで歩くなんて久しぶりで…違う意味で緊張するかも――――…
そんな父の腕に手を回して…
定番の台詞をいつ言おうかタイミングを計る――――…