完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第1章 完璧な日常と憂鬱な人事
「待たせて悪かったね、今…会議が終わったよ――――…で、これら役員と新社長と共に会食に向かう…
車の手配はすんでいるかい?」
秘書課に足早で入ってきたのは、室部長の実周(ミマワリ)さんだった
40そこそこではあるが頼りになる室部長である…
「はい!新社長のお車はすでに玄関先に!」
春日さんは社長ファイルを胸に抱き誰よりも先に席を立った!
――――…が、
「そうか、では――――神谷くん、新社長の秘書として車に同行してください!」
「「え?!」」
秘書課に重い空気が流れた!
「それと、神谷さんが抜けた役員付きは、若月(ワカツキ)さんになりますので、分からないことは春日さんに聞くように!
では、出発してください!」
唖然とするが――――…人事が出たのだ…
それも…予想斜め上の
怖くて…春日さんの顔が見れない…
社長のファイルを受けとりたいが…春日さんに手に力が入り…渡す気配がない…
はぁ――――…困りました