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真由子は
失踪直前に
あのパイン鈴村の守銭奴さ加減を考えたとき
何年か経過したら
朝倉マコの作品の流出を予測していた。

その時に
もしもまだ朝倉マコを引き摺った暮らしを
していたのなら…
真由子はそれをきっかけに
AVの世界に戻って
汚れ続けた人生を送るのも悪くないと
考えていたが…

もしも奇跡が起こり
朝倉マコではなく
真由子として生きていけていたならば
その事態が発生したときに
助けてもらえるのは
五郎だけだと考えていたのだ…

だから万が一の保険としての意味も込めて
(もちろん感謝の気持ちも込めて…)
失踪を繰り返していたなかで
信頼できた相手には
次の暮らしが軌道に乗ったときに
手紙を書いていたのだ。

五五朗なら
必ず見受け出してくれると…。
そう信じて。