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『…まあ…。　あの人はまだ、そんなことを』引きずって生きてたんだ……。　やっぱり私のせいかな？』


『いやそれは違うよ。美紀ちゃん…。ただね、あいつの暴走は、もう止められないんだよ…。せめて、昔の仲間にできることは…。今、その暴走に翻弄されている人を守ってあげることくらいじゃないかなって思って…。』


『うん。分かったわ…。で、学さん、私は何をしたらいい？』


『……………うん。分かった。じゃああとでね…。』


美紀は
電話を切った後で
娘の美紗に電話を掛けた　。


『あ！ママだよ。ごめんね～美紗ちゃん。ちょっとママ、どうしても片付けないといけないことあってさ…。パパと夕飯食べといてくれる？うん。ちょっと今夜は帰れないかも…。うん、よろしくね。』


『ママも不良娘だなぁ…。はいはい分かりました。気を付けてね！ﾊﾞｲﾊﾞｲ。』


美紗との電話を切った美紀は
楽屋の窓を開けて
撮影所の風景を眺めた…

今まさに…夕焼けが
西の空に沈もうとしていた。



『……思い出しちゃうなぁ…　あの日のこと。』

美紀は
しばらく思い出の世界を
訪れた…。