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ほどなく…

健太から再び
黒光に連絡が入った。


『無事にマスターデータをコピーして、マスターデータを削除できた』

と健太はホッとした声で
黒光に伝えた。

『私…今から健太を迎えに行く！黒光太は、連れてってよ。』
薫子は黒光に懇願した

『おやすい御用だ。二人の度胸と勇気に元気をもらえたよ…。ほんとにイイ男とイイ女だねえ、健太とカオルちゃんは…。』



『ところでさ…0422ってどんな意味なの？』
薫子は黒光に尋ねた。


『うん…。いわゆるパイン鈴村の誕生日かな？』


『えっ？たしかパインは8月生まれじゃなかった？』

『ああ…。だから、鈴村浩ではなくてさ、パイン鈴村という、金のためなら所属モデルもモノとしてしか見ない守銭奴な男としての誕生日だよ。』

黒光はそう答えた…。

もう20年近い昔の4月22日…

それは
鈴村浩の恋が終わった日。
浩と美紀がそれぞれの人生を
歩み始めた日だよなぁ…。

黒光は
クルマにカオルを乗せて
健太のもとへと
クルマを走らせた。