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AV女優と結婚するということ嫁がAV女優になったということ。

第29章 五郎への恩返し

もちろん
すでに朝倉マコは
存在せず
朝倉マコは高梨真由子として
幸せな居場所があるから
『夢だったけど… …あーぁ、…。一度は見てみたかったなぁ。』
と五郎は心底残念そうにしていたことを話した。



『多分ね… 今はどこにいるかわからなくなっちゃったけど…。五郎さんだけはまだ、昔を引きずっているかもしれないって私には思えたの…。』

昔…
朝倉マコという女性を
AV女優だけの存在と考えないで
少しでも日の当たる場所へ
送り込みたいとマネージャーをして
でもそれがパインの謀略で叶わず…
それでも
遠くから朝倉マコ(真由子)を見守った
そんな五郎を美紀は
少しだけ不憫に思えてならなかったのだ…。


だから
監督として
映画を作成することになったとき
雲母坂未唯として
主演もつとめる自身の若い時代の回想の場面を
脱がないマコに演じさせて
どこかできっと
朝倉マコの幸せを祈ってる五郎に
マコへの見守りの
ファナーレを飾らせてあげたいと
美紀は考えていたのだ…。

そのことを
美紀は真由子に言葉を選びながら話した。

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