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好きにさせて

第11章 距離



あの日以来

茜は
ほとんど
俺の部屋に
来なくなってしまった


たまに来ることはあっても
泊まることはなく
数時間で帰っていったり

俺が留守の時に
ちょこちょこ
来てるみたいや


せやから


あれから
茜を抱いていないし

濃厚なスキンシップもない



しかけても
やんわりと
断られてまうんや



あの日

俺はなんか悪いこと
したんやろか…


あんなに茜は
機嫌よく
楽しそうやったし

あんなに
俺に甘えてくれたのに…


「先輩」


「あぁ?」


「元気無いっすね」


「まぁな」


「温泉行ってから
ずっと元気無いじゃないですか。
温泉で喧嘩でも
したんですか?」


「いや。
むしろラブラブで
寝る間もなかった」


「マジですか?!(笑)」


「嘘や」


「え?」


「はぁ…」


「らしくないですね。
もっと冗談言ってくださいよ。
リアルに心配じゃないですか」


「なんかな…

温泉行ってから
距離置かれてんねん」


「うわっ…」


「だろ?」


「そのあとエッチしました?」


「いや」


「うーわっ」


「はぁ…」


「もう理由聞いた方がいいっすよ。
女が何考えてるか
男には分からないんですから」


「せやな…」


「会ってもくれないんですか?」


「いや。
働いてる店行けば会えるんや」


「じゃた行った方がいいですよ。
早い方がいいです」


「そぉか?」


「はい。
もし相手が怒ってて
謝るなら早い方がいいっす」


「ふぅ〜…
せやな…」

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