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腐男子仲間から恋人へ

第3章 ~再婚で増える家族~

「照実君、どうしたの?」

「その、試写会には行きたいですけど……その…。」

照実君は、照人さんとお母さんの方を見る。

あぁ、そうか…。

すると、お母さんと照人さんは真剣な表情になる。

「明人君
明子さんから聞かされてるとおり、俺は明子さんと再婚したいと思ってる」

「はい…。」

「照実も賛成してくれてる
お兄ちゃんが出来るって楽しみもしてた」

「……。」

照実君を見ると、少し暗い表情で下を俯いていた。

「きみのお父さんが原因で、きみと明子さんの苦労した日々の事も全部聞いた……大変だっただろう…。」

「……。」

大変だっただろう……こんな暖かい言葉をかけてくれたのは、信彦君と隆君と寮長と護君以来だな…。

「俺と照実は、本気で明子さんと明人君と家族になりたいと思ってる」

僕とお母さんと家族になりたい。

その言葉に、嘘と偽りがないと感じるくらい心に響く。

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