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元カレとヨリを戻したのは夫が浮気をしていたせいじゃなくて

第36章 過去の恋敵の相手■佳祐SIDE■

「それとも金持ちの男でも見つけたか」


俺と別れたい理由なんて
新しい金づるが見つかったとしか
考えられなかった。


当時の俺は自分のことで精一杯で
アリスが金と男にだらしがなく
汚い女だと気付かずにいた。


ウォルのことにしても
成長と共に俺とはかけ離れた人種だと
気付いてはいたが認めずにいた。


頻繁に自宅を出入りしている
庭師を装ったマリックに
ウォルが似ていることにも
気付かないふりを続けた。


全てをお見通しの俺はいい夫を演じた。


そこにあるのは意地だけだった。

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