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桜花楼の恋

第13章 恋乱舞い

・戸塚side

戸「雪、雪だよ北山」

北「うおっ、初雪かぁ」



この日、真っ白な粉雪が舞い散る姿を俺と北山は2人して寄り添いながら見つめていた。

昨日…



北「藤ヶ谷が尾張に帰ったって」

戸「ほんと?それ」

五「あぁ」

塚「俺たち見たんだ」

ニ「町中を大名行列が通って江戸を出て行くのを」

北「んだか」

千「じゃガヤさんは?」

五「暫くは戻って来れないだろうね」

橋「そんなぁ」

北「仕方ないわ、フッ」

戸「北山」

塚「うん、きっとそうなるのも覚悟の上で会いに来たんだろうからさ」



だったら我慢するしか、北山の眼がそう言っているのが分かる。



五「だからって、もう会えないと決まったわけじゃないし」

塚「俺達は今、出来ることをするしかない」

戸「そうだね」

五「ってか郁人は今日も来てないんだ?」

橋「河合の若旦那なら夕刻に来るって昨日、言ってたよ」

塚「あいつ、また独りで何かやっているんじゃないよな」



塚ちゃん、かなり根に持っているみたい。



ニ「それってどういう?」

五「気にしなくていいよ郁人が勝手に暴走しただけだから、クスッ」

千「んっ?」

北「まっ、あいつならやりそうだわ」



あははっ、ごめん。



それから夜になり、俺の所へ来た河合は。



河「トッツー、今から話すことは宏光には絶対に内緒にしててくれ」



突然、そんな事を言い出し。



戸「なに?」

河「今日、渉と会って来た」

戸「そうなの?」

河「あいつ俺らの動きまでしっかり伺ってやがってよ」



そりゃそうでしょ、フッ




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