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桜花楼の恋

第1章 始めの一歩

・五関side

それは、ある日いきなり言われたんだ。



河「頼む五関、塚ちゃん」



その必死な形相が、どれだけ郁人にとって大切な存在なのか聞かなくても分かった。



河「金は払う、だから」

五「そんな事をしたら店をつぶしてしまうだろ」

塚「それじゃ相手も悲しむと思うよ」

河「じゃ、じゃあ」

五「まずは会わせてくれる?」

塚「大金払っても一緒にいてもいいと思える奴だったら協力するから」

河「分かった」



数日後━



男「お待たせ致しました戸塚太夫でございます」



目の前に現れた、その姿に。



塚「かっわいぃーっ」

五「郁人にはもったいねぇや」

河「あはっ、あははっ」



色とりどりの煌びやかな着物を羽織ったトッツーは、本当に男かと思うほど綺麗で愛らしく。



五「これなら」

塚「うん、それだけの価値がある」

河「ぁ…ありがとな‥クッ」



そして、この日より。



五「身体休めてていいから俺らが来たときくらい毎日大変なんだろ?ニコッ」

戸「うん、フフッ」



郁人が行けない日は、塚ちゃんと俺が交代でトッツーを買い。

少しでも、他の奴らが手をつけられないようにしていたんだ。

毎回っていうのは無理だったけどな。

もちろん抱いたりなんかしないよ大事なダチのイロだし、フッ

それより俺は…



五「やっぱ、ここにいたんだ」

橋「ごっち、どうしたの?今日は河合の若旦那が来ているっていうのに」

五「良亮に会いに来たのに決まってるだろ、フッ」

橋「ほんと?」

五「まだ中へ入れないんだ、あいつら励むなぁ」

橋「仕方がないって太夫にとって河合の若旦那は特別なんだし」

五「ませたガキだなお前」

橋「こんな所にいるとね」

五「ふっ」




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