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蜜蜂オヤジ。

第13章 時差のむこう側。

何?
どうかした?


私は朝の5時前の電話に飛び起きた。


『……もしもし…。薫さん?』

『なあ…桜ぁ、聞いてくれよ………………。』


電話はひたすら
薫の現地での悪戦苦闘の話ばかりで


『そう、大変ね。ご苦労様…こっちはね…』
私は
そうカケルやテルのこと話そうとしてら

カチッ…!

電話が切れた…。

もちろん私がお父さんと
そういう関係になったことは言えない。
これは私とお父さんが墓場まで持っていく。

だけど
こっちだって
カケルが最近学校であった
算数コンクールで1位になったことや
テルの成長の様子を
伝えたかった…


いつもそう…

『僕はこれだけ頑張ってるんだ!だから僕をほめて!ほめてほめてほめて!』
そんなオーラが言葉に漂ってる…


私のことを
誉めてくれて
気遣ってくれてるのは
お父さんだけ…。

私は5時過ぎに起こされて…
そのあとなかなか
眠りにつけなかったので
いつもより45分ほど早起きしてしまった。


しかも
多分薫さんは
時差を8時間だと思ってる…。
7時間だよ!

私はちょっとだけ
イラッとした1日の始まりをしてしまった。

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