こんなとこじゃイヤ!
第2章 忘れられない
緊張でドキドキとする胸を押さえながら、深呼吸をした。
大丈夫…
隆史なら真剣に、俺の話しを聞いてくれるはずだ…
「じつは…っ!俺が好きな人て…おかしいかもしれないけど男の人なんだ!!!」
えっ…!?
驚くと思ったのに…
態度の変わらない隆史に拍子抜け。
何故………?
そんなに普通にしてられるんだ!?
「おっ…驚かないの?」
「だって…お前…、男にモテそうだし。今まで告白されたことだって、何度もあるだろ」
「そうだけどさ…」
確かに俺は、同性からのアプローチが多かった。だけどそれは、決して喜ばしいことじゃなくて。
「僕から見ても、お前て相当可愛いよ」
「そんなこと今まで言ったことないじゃん」
「ただ、言わなかっただけだよ。」
「じゃあ隆史は、俺のこと抱ける?」
見れば驚いた顔をした隆史が、食べかけのパンをぽとりと落とした。
なんか俺……
おかしなことでも言った?
「もしかして…、抱かれたのか?それで好きになちゃたとか!?」
「うっ…」
言われてることに反論できない。
俺が気になる人は、男に痴漢してくるような変態なヤツだけど…。