嘘つきな唇
第4章 ＊逃避行＊
……俺は……
一呼吸置いてから美砂に話し出した……
「……美砂俺との……
関係を終わりにしてくれ……」
「……ルウ……
何て言ったの？よく聞こえ無いわ……」
「……だから！俺と別れてくれ……」
「……ルウ！……突然何を言い出すのよ？」
「……突然じゃ無い……」
「……え？……」
「……美砂突然じゃ無いよ……
前から考えてたんだ……」
「……ルウ……どういう事よ？……」
「……美砂俺には好きな女が居る……」
……ついに俺は美砂に……
包み隠す嘘一つ無いありのままの事を話した……
……勿論雪奈の素性を……
明かしたりはしないけど……
案の定美砂は取り乱した。
勿論俺もこうなる事は解って居た。
「……嫌よ……別れ無いわよ……」
「……美砂もう無理だよ……
愛の無い暮らしなんて……」
「……ルウ……」
「……俺には続けられ無い……」
「……ルウは……
この生活に愛は全然無いって言うの？……」
……俺は……
美砂との別れは長期戦になる事を覚悟した……
……覚悟した上で……
それでも俺は美砂に別れ話しを続けた……
「……だってそうじゃん……」
「……ルウ……」
「俺は美砂に拾われて俺を育ててくれた恩を、
体で美砂に返してただけだ……
それもあんたに強要されて……」
「……貴方は……
私が無理矢理犯してた、とでも言いたいのね……
私への恩を仇で返すのね？」
「……勿論美砂に……
ここまで俺を育ててくれた、
事には滅茶苦茶感謝してるよ。
美砂有り難う……」
「……だったらどうしてよ？……」
「……美砂……
そこに俺の愛は無いからだよ……」
「……嫌よ！絶対別れ無いわよ！
私への借金が終わるまでの約束じゃ無い！……
私との恋人関係は！……」
「……それも美砂が勝手に決めた事だよ？……」
「私への借金はどうするのよ？」
「それはどんな事しても返すよ。
例え何年掛かっても……」
……だけど次の瞬間……
美砂の口から思いも寄ら無い、
将来設計を告げられた……
……美砂はマジで……
俺を一生縛り着けるつもりか！……
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