嘘つきな唇
第4章 *逃避行*
「……ルウ……
ちょっと言うのが遅かったみたいね?」
「……美砂……どういう意味だよ?」
「……ルウ……
あのラウンジは売りに出すわ。」
「……え?……」
「大阪に新しい店を出すわ。もう、
店舗も決まってる……
来月早々にでも引越すわ。」
「美砂!!何だってそんな勝手に!」
「……ルウ!……
勘違いしないで!いい?
あのラウンジのオーナーは私よ。
貴方は雇われてるだけよ?
あの店をどうしようが私の自由なのよ……」
「……なんでまた急に……」
「……ルウ……急じゃ無いのよ……
私も前から考えてたのよ。」
「……」
「……来月引越すわよ?……
ルウ貴方も一緒にね?……」
「……美砂!……冗談じゃ無い!
勝手に決めんな!」
「……もう決めた事よ……」
「……勝手に一人で行けよ……
俺は行かない……」
「……ルウ!……
そんな勝手が通ると思ってるの!」
「……知らねーよ!……
もう美砂の操り人形はごめんだ!」
……そう言うと俺は部屋を飛び出した……