嘘つきな唇
第8章 *永遠の愛*
……雪奈は……ご両親の前に、
正座するとご挨拶を始めた……
……ああこれが挨拶って奴?……
「……お父さんお母さん……
27年もの長い歳月雪奈を育てて下さり、
ほんとに有難うございました……」
「……雪奈……」
……雪奈のご両親は……二人共泣いて居た……
「今まで私を愛情一杯に育ててくれた事、
ほんとに心から感謝して居ます。
親不孝に会社を辞め、
受け入れてくれたお二人の愛情に……
私はお二人のようにやがて、
産まれ来る我が子にその愛情を、
注ぐ事をここに約束します……」
……雪奈の言葉に……俺も涙が溢れて来た……
「……今日私はここに居る……
最高の旦那様ルウとめでたく、
結婚する事が出来ました……
これもお父さんお母さんのお陰です……
貴方達の娘雪奈は貴方達の子供に産まれ、
ほんとに幸せでした……
これからはルウさんと幸せな、
家庭を築きます……
……お父さんお母さん……雪奈は今日……
早川雪奈になります……
……ほんとに長い歳月……
私を育てて下さり、
有り難うございました……
私はルウさんと幸せになります……
「……雪奈……もう顔を上げて?
私達も貴女が娘で幸せでしたよ……」
「……雪奈……ほんとに、
いい子に育ってくれて有り難う……
ルウさん?……」
「……はい……」
「……雪奈の事を……
幸せにしてあげて下さいね……」
「……勿論です!……
お父さんお母さん……雪奈を、
産んでそして育てて下さって、
そして俺と出逢わせて下さって……
ほんとに有り難うございます……」
「……ルウさん……」
「……今日からは……
貴方達の自慢の娘さんは俺が永遠に守って、
必ず雪奈を幸せにします。約束します!
これからも二人にご指導、
よろしくお願いします!」
「……ルウさん有り難う……
雪奈ルウさんと幸せになりなさい……」
「……はい……お父さんお母さん……
有り難うございました。
必ず幸せになります……」
「……じゃあそろそろ行こう!……
式まで1時間だ!」
「……そうね!……
ルウ、お母さん!急ぎましょ!」
「……ハイハイ……」
……そして俺達は……
タクシーで協会へ向った。