嘘つきな唇
第2章 *ルウの秘密*
「……あの時……
他に身寄りが無かった俺は、
姉さんを頼るしか無かったんだ……」
「……」
「姉さんも結婚して居た、
旦那さんが死んだんだ。
だから二人共同じ様な環境だった。」
……私はルウの手をそっと握った……
……ルウに……
言葉の変わりに温もりを伝えたかった……
「……でも昔から……
姉さんは俺の事がお気に入りで、
全て面倒見ると姉さんは言い出したんだ……」
「……ルウ……
話すの辛く無い?大丈夫?……」
「……俺は大丈夫だよ……
雪奈こそ大丈夫か?……」
……私は静かに頷いた……
「……だけどそれは……
姉さんと恋人同士になるのが条件だった……」
「……そんな……」
「今やってるラウンジも、
費用は全て姉さんが出したんだ。
だから俺はこの若さであんな、
店を持ててるんだよ?……」
「……ルウ……だからなのね?……」
「……ああ……
だけど姉さんは初めは俺に、
費用は一切出さなくていいって、
言ってたけど……
欲が出たんだろうな?……
俺にマンションと店の費用を、
半分出して欲しいと言って来たんだ……」
「……酷い……嘘ついたって事?……」
「……まあな……俺が借金……
全て返すまでは絶対に別れ無いってさ……」