
嘘つきな唇
第9章 *第2の人生*
「……雪奈!……
窓際立ちなよ♪撮ってあげる♪」
「……有り難うルウ♪……」
……俺は雪奈の写真を2、3枚撮る……
「……ねえ!……最後、
ルウも一緒に撮れないかしら?」
「自撮りかあ!頑張ってみるか!」
「……お願い!……」
……俺は……
雪奈の隣に立ってなんとか、
自撮りで雪奈と一緒の写真を、
1枚だけ撮った!
「……撮れたあ!……
撮れて良かったな、雪奈♪」
「……ルウ有り難う♪……嬉しい♪」
……雪奈はまるで……
子供の様な笑顔で俺に微笑んだ……
……そして……部屋に一礼して……
「……長い間……有難うございました……」
と、呟いて居た……
……雪奈……
……俺は胸が痛んだ……
……雪奈……辛いだろうけど……
……俺と前に進もう……
……お前はもう俺の手を取った……
「……雪奈行こうか……」
「……ええルウ……
なんか女々しくてごめんね……」
「……雪奈謝るなよ……
長年住んだんだから当たり前だよ。
俺でもそうする♪」
「……ルウ有り難う……
明日からはちゃんと気持ち切り替えるわ!」
「……雪奈……
無理しなくていいよ。ゆっくりでいいから……」
「……ルウ!……
私無理なんかして無い!もう大丈夫よ……
貴方の奥さんだもの!」
「……雪奈有り難う……
じゃあ未来に向って行こうか?
奥様♪」
「……はい!旦那様♪……」
……こうして俺達は……
雪奈が長年住んだマンションを、
後にした……
