嘘つきな唇
第2章 *ルウの秘密*
「……雪奈ただいま……」
「……」
……雪奈の……
落胆してる様子が、
手に取る様に解って俺は、
心が痛んだ……その時、
「失礼致します。
お食事お持ちしました。」
「有り難うございます。」
……そして……
テーブルの上があっという間に、
豪華な料理で埋め尽くされた。
「こちらのしゃぶしゃぶと、
ビールはご迷惑掛けたサービスです。」
「……え?……こんなに?
いいんですか?……」
「はい。是非、
お召し上がり下さいませ。」
「……すみません……
なんか返ってすみません。」
「有り難うございます。
ご馳走になります。」
と、雪奈もお礼を言った。
……なんか……
悪天候なんて宿のせいじゃ、
無いのにほんとに申し訳無いな……
「明日の朝食はどうしますか?」
「あ、お願いします。」
「かしこまりました。
ではごゆっくり。失礼します。」
……俺はせめて……
朝食ぐらい頼ま無いと申し訳無い気がした。