
嘘つきな唇
第3章 *決心*
……帰りの車の中で……
私達はいろんな話しをした。
「……雪奈……ラウンジだけど……」
「……なあに?……ルウ……」
「……雪奈は……
もう来ない方が良い……」
「……どうして?……」
「……女が……
いつも売り上げの様子を見に、
必ず一度は店に顔を出す。
昨日は俺が店を閉めてたから、
入れ無かっただけで……
雪奈が来てたらそのうち、
女と鉢合わせする事になる……」
「……そう、解ったわ……」
……じゃあ何処で……
逢えるのだろう?とは、聞けなかった……
……ルウの……
悲し気な瞳を見たら聞けなかった……
「……雪奈……
普通の恋人同士みたいに、
いつも逢え無くてごめん……」
「……ルウ大丈夫よ?……
昨日の想い出があれば私は生きて行ける……」
「……雪奈……
想い出なんて言うなよ……
必ずまた直ぐ雪奈と逢うようにするから……」
「……ルウ……」
「……雪奈……俺の事忘れ無いで居て?……」
「……ルウ……
一時だって貴方の事忘れ無いわ……」
「……愛してるよ雪奈……」
「……私も……愛してるわ、ルウ……」
……そしてルウの車は……
やがて私の家の前に着いた……
「じゃあ雪奈信じて待ってて?
必ずLINEするから……」
「……私からは……
しちゃいけないのね?
解ったわ。ルウを信じて待ってる……」
「……雪奈……
解ってくれて有り難う……
離れて居てもいつもお前を想ってる……」
「……あ、ルウ……嬉しい……私も……」
「雪奈も元気で!仕事頑張って!」
……そして俺は最後に……
雪奈の唇にキスをした……
「……雪奈……じゃあ俺行くな?……」
「……ええ……ルウも元気で……」
……私は涙でルウを見送った……
