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放課後は保健室で

第3章 おにぎりの具は何ですか




「ふ―、やれやれ。台風みたいな奴」


ギィと椅子を鳴らして背もたれに寄りかかる。


襲いそうになった時から1日経ったが警戒心はあるものの、嫌われてはいないようだ。


その警戒心もなかなかあっさり近づいてしまえるほど薄くはあるが。


ふわふわした髪の毛の感触が手に残っている。


次は多分、鍵を返しに来る放課後かな。


開いた手をゆっくり握る。


どんなイタズラをしてやろうかな。


退屈な午後がちょっとだけ楽しみになっていることに俺は気付かないでいた。



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