放課後は保健室で
第3章 おにぎりの具は何ですか
「ふわ」が「にや」に変わる。
「何、見惚れてんの」
ずいっと一気に距離をつめられる。
その距離約30センチ。
「そんな事ありません!てか近い!」
慌てて5メートル飛び退く。
まったく油断も隙もありゃしない。
「ちっ。残念。ほれ」
机の引き出しを開けて中の物を私に放った。
バタバタしながらも無事両手でキャッチ、中はきらりと光る屋上の鍵。
「先生ありがとう!」
礼を言う私に先生はすでに背を向けていた。小さく手が上がる
「出席日数には気をつけろよ」
私は再び勢い良くドアを開けた。