放課後は保健室で
第6章 泣きっ面にぶたさん
廊下に向かう途中、クラスの女子に睨まれながら私は先生の言葉を思い出していた。
『嫌なら嫌ってはっきり言えよ!』
そうだよね。
こんなずるずる引っ張っていたらダメだよね。
ドアを閉めて渡辺啓太と対峙した。
「ねえ、渡辺くん…」
「よし!!俺さ、柴崎さんにお願いがあって」
「ふえ?」
変なタイミングで遮るから変な声が出てしまった。
話を切られたうえに何かお願いがあるという。
一体なんなんだよ、もう。
「柴崎さん!」
ん?
「俺と、」
え、まって
「俺とっ」
このパティーンってもしや…