放課後は保健室で
第6章 泣きっ面にぶたさん
「田中さん、今日いないみたいだしさ!一緒に食わねえ?」
教室の温度が徐々に下がっていく。
渡辺啓太に想いを寄せているらしいクラスの中心的人物、松澤瑠璃の方を窺うと恐ろしい形相でこちらを睨んでいた。
その他のクラスメートも同様に。
こりゃまた後で「可愛いからって調子のんな」とか聞こえよがしに言われんだろうなあ…
「可愛い」の部分は思いっきり否定をしたいけど変に気を使うのはこりごりだ。
「ちょっと廊下に出ようか」
この教室に居てはまた私が憎まれるだけだ。
結がいればこんなことになんないのにな―…っていかんいかん!ちゃんと自立せねば!