放課後は保健室で
第7章 help!!
「それは…大変ですね。場所の心当たりはありますか?」
「目撃されたのは西校舎の廊下です。あの子がよく行く屋上には行ってみたんですけど閉まってて………っあ、これは内緒でお願いします」
口を滑らせて慌てているがそれはもう俺も知ってる事実だ。
西廊下かあ…
「そっち側中心に、空き教室などを手分けして調べてみましょう。」
こくんと黒髪を揺らして頷く彼女はあいつを心の底から心配しているようだ。
「渡辺啓太のやつ…やっぱり…」
ボソッと呟かれた言葉は小さくて、最初の言葉しか聞き取れなかった。
渡辺啓太…って廊下で見かけたとき執拗に誘われてたやつか。
あいつが凄いイヤそうな顔してたから思わず助け舟出てしまった。