無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

くそ、あいつなにやらかした！！


不審に思われない程度に走りながら考える。


くるんくるんとハネた茶色い髪の毛が思い起こされた。


絶対殴ったのは柴崎晴香の方だと思うんだけど。


あー、それで反撃されたとか？


で連れ込まれて渡辺啓太に迫られてる…とか？


…ありえる。


何故かその仮定が正しい気がした。


ったく、面倒くせえヤツだ。


不意に胸ポケットでケータイが震えた。


立ち止まって通話ボタンを押す。


「多分晴香いました！503の空き教室！」

「わかった待ってろ、すぐ行く」


ぶちっと切ってから素が出ていたことに気づいた。


ひとつため息を付いてから階段を２段とばしで駆け上がる。


６時間目が始まる、チャイムが鳴った。