放課後は保健室で
第2章 鍵の落とし物
「まっ襲われる覚悟でこいよ」
頭にあった手が顎をくいっと持ち上げる。
「その端正な顔、今ココでボコボコにして欲しいですか?」
「…冗談だ」
ふっと時計を見ると5時を指していた。
ホームルーム終わったのが3時半だから、げっ!一時間半も経ってたの!?
「やっば、先生私帰ります!コアラが散歩待ってるんです!」
「はあっ!?コアラっ!?お前コアラ飼ってんの!?」
「あ、いや、名前です。ポメラニアンの。可愛いですよ―」
ケータイの待ち受けを見せる。
私のフォトデータは8割コアラで埋まっているんだ。
「犬かよ!…紛らわしいわ!」