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三角関係ときどき四角

第12章 怪文書の行方

俺としては都会に憧れがあっただけで
是が非でもT大医学部に
入学したいわけじゃなかった。


『T大医学部のブランド力は偉大だ』


それを口にしていた親父も
T大医学部出身だが
なぜ片田舎の診療所に収まっているのか
疑問が残る。


そもそも我が家は疑問だらけである。


両親はバツイチ同士の結婚であり
二人の馴れ初めを聞いたこともない。


俺が生まれる以前のことも
全くと言っていいほど聞かされておらず
両親共に過去については
多くを語らずにいた。

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