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三角関係ときどき四角

第12章 怪文書の行方

しかし俺は父親に無断で
過去を知る為の唯一の手掛かりを
上京の際に持ってきてしまった。


ただの作文か手紙のようにも思える文面だが
父親が大切に保管していたことが
妙に気になっていた。


「これ……文法も改行も違和感があるね。
怪文書的な文章かな」


俺より頭のいい伊庵は、この文面から
俺以上のことを感じ取った。


「怪文書だったら伊庵が解読してみろよ。
俺、そろそろ行くわ」

「あ、デートか。気を付けてよ、色々と」


心配症だな、伊庵は。

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