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三角関係ときどき四角

第12章 怪文書の行方

「伊庵のカノジョになってから三年だね」

「来瞳が僕に声を掛けてくれたおかげだよ」


高校に入学したばかりの春
僕と来瞳は区立図書館で出会った。


「今でも、あの時の消しゴム大切にしてるの」


偶然隣に居合わせた
違う高校の制服姿の女子学生に
『消しゴムを貸してもらえませんか』と
声を掛けられ、貸しても良かったが
僕は消しゴムを半分に割った。


「僕もだよ」


僕にとっても大切な思い出。


それが親しくなる取っ掛かりとなり
図書館で一緒に勉強するようになった。

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