
ヴァンパイアのCrazy Night
第2章 彷徨える客人
「はぁ…はぁ…っ!」
恐怖に支配されながら、何度も躓きかけて、ただひたすらにこの怪奇の森を駆け抜ける。
「あはははっ…」
「…ふふふっ」
そんな恐怖に震え戦く私を、高みの見物の如く笑う少年たち。
「そんなに怯えた顔をして…恐いのかい?お嬢さん」
そして、私を嘲弄するかのように言葉を投げかけてくる、謎の男。
「何なんだよ…っ!此処は一体…!」
息を切らしながら、困惑の声を漏らす。
訳が分からない…あの怪物は、一体何なんだ?私を嗤う男たちは、一体何者なんだ?そしてこの森は…一体どうなっているんだ?このまま…私は恐怖に戦きながら、この森を途方もなく彷徨うのか?それとも、私はこの森に潜む怪奇に、無残にも喰い殺されてしまうのか?
私は、一体どうなってしまうんだ?
頭の中は、あらゆる思考の渦に滅茶苦茶に狂わされる。
